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認知症と診断されたら老人ホームは諦めるべき?【入居のタイミングと可能性】
「認知症と診断されたから、もう老人ホームには入れないのでは?」そうお考えではありませんか?しかし、ご安心ください。認知症の方でも入居できる老人ホームは数多く存在します。特に、適切なタイミングで、その方に合った施設を見つけることが大切です。
施設選びでお悩みの方は、当社の相談センターで専門スタッフが無料でサポートいたします。
認知症の症状進行と施設検討のタイミング
認知症の症状は個人差が大きく、段階的に進行します。たとえば、早期の段階では、ご自宅での生活やデイサービスなどの利用で対応できることも多いでしょう。ところが、以下のような兆候が見られた場合、老人ホームへの入居を検討するタイミングかもしれません。
- 介護者の負担増大: 認知症の進行により、介護者の身体的・精神的負担が限界に達している。
- 徘徊や暴力など、問題行動の増加: ご本人や周囲の安全が確保できなくなっている。
- 在宅介護の限界: 医療的ケアが必要になった、夜間の見守りが困難になったなど。
- 本人の安全確保が困難: 一人暮らしで火の始末ができない、道に迷うことが増えたなど。
実際に、LIFULL介護の独自調査によると、施設入居のきっかけとして「介護疲れ」「徘徊などの行動・心理症状」が上位を占めています。そのため、これは、ご家族が抱える現実的な課題と深く結びついています。
認知症の種類別に見る老人ホーム選びのポイント
認知症にはいくつかの種類があり、それぞれ症状の特徴が異なります。そのため、施設選びにおいても、その方の認知症の種類や症状に合わせたケアが提供されるかが重要なポイントになります。
主要な認知症の種類とその特徴
認知症の代表的な種類は以下の通りです。
- アルツハイマー型認知症: 最も多いタイプです。物忘れで始まり、進行とともに判断力や理解力が低下します。
- 血管性認知症: 脳梗塞や脳出血などにより発症します。症状に波があり、身体麻痺などを伴うことがあります。
- レビー小体型認知症: 幻視やパーキンソン症状(手足の震え、体のこわばり)が見られるのが特徴です。
- 前頭側頭型認知症: 人格変化や、同じ行動を繰り返すなどの行動異常が目立ちます。
このように、これらの特徴を理解することで、より適切な施設選びが可能になります。
認知症対応型施設の種類と特徴
認知症の方が専門的なケアを受けられる老人ホームには、主に以下の種類があります。
- グループホーム(認知症対応型共同生活介護):
- 地域密着型サービス。
- 少人数(5〜9人)で共同生活を送ります。
- 家庭的な雰囲気の中で、認知症ケア専門のスタッフが支援します。
- 認知症の診断があり、要支援2以上の高齢者が対象です。
- 介護付き有料老人ホーム:
- 介護サービスを施設が提供する有料老人ホームです。
- 24時間体制の介護・看護体制が整っている施設が多く、医療ケアが必要な方にも対応できます。
- 認知症の症状が進行しても住み続けられる可能性が高いです。
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住):
- 安否確認や生活相談サービスが必須の賃貸住宅です。
- 認知症の方でも入居できる施設が増えていますが、外部の介護サービスを利用することが前提です。
- 自立度の高い方や、比較的軽度の認知症の方に適しています。
- 特別養護老人ホーム(特養):
- 公的な施設で、重度の要介護認定を受けた方が対象です。
- 費用が比較的安価ですが、入居待ちが非常に長い傾向にあります。
- 認知症ケアにも対応しています。
したがって、施設選びの際は、ご本人の症状の進行度合い、必要な医療ケア、生活スタイル、そしてご家族の希望を総合的に考慮することが重要です。
また、老人ホームの基本的な情報については、老人ホームとは?種類・費用・選び方のポイントを徹底解説や有料老人ホームとは?種類・費用・選び方の全知識でより詳しく解説しています。
認知症老人ホームの費用と利用できる補助金・助成金
老人ホームの費用は、公的施設か民間施設か、また提供されるサービス内容によって大きく異なります。さらに、様々な補助金・助成金制度を活用することで、費用負担を軽減することが可能です。
初期費用と月額費用の内訳
老人ホームにかかる費用は、主に「初期費用」と「月額費用」に分けられます。
- 初期費用:
- 入居一時金: 数十万円〜数億円と幅広く、施設の立地や設備によって異なります。
- その他: 引っ越し費用、生活用品の購入費など。
- 月額費用:
- 家賃相当額: 施設によって異なります。
- 管理費: 共用施設の維持管理費など。
- 食費: 食事提供の費用。
- 介護サービス自己負担額: 介護度に応じて変動します。
- その他: 水道光熱費、医療費、おむつ代、レクリエーション費など。
例えば、公的施設である特別養護老人ホームは初期費用が不要で月額費用も比較的安価ですが、民間施設(介護付き有料老人ホームなど)は初期費用が高額になる傾向があります。
費用負担を軽減する公的制度・補助金
以下の公的制度や補助金は、老人ホームの費用負担を軽減するために活用できます。
- 高額介護サービス費制度: 1ヶ月の自己負担額が一定の上限額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。
- 高額医療・高額介護合算制度: 医療費と介護サービス費の自己負担額を合算し、年間上限額を超えた場合に払い戻される制度です。
- 特定入所者介護サービス費(負担限度額認定): 所得の低い方が、食費や居住費の負担軽減を受けられる制度です。
- 社会福祉法人等利用者負担軽減制度: 社会福祉法人等が提供するサービスにおいて、所得の低い方の自己負担額が軽減される制度です。
- 医療費控除: 施設で受けた医療サービス費や、一部の介護サービス費が所得税の医療費控除の対象となる場合があります。
- 自治体独自の助成制度: 一部の自治体では、独自の介護関連の助成金や補助金制度を設けている場合があります。
ただし、これらの制度は複雑なため、お住まいの市町村の窓口や地域包括支援センターで相談することをお勧めします。
詳しい費用については、【2025年最新版】老人ホームの費用相場と月額料金を徹底解説や低所得者が入れる老人ホーム:年金で安心の施設を見つける完全ガイドでも解説しています。
認知症老人ホーム入居までの具体的な流れと相談窓口
老人ホームへの入居は、ご本人やご家族にとって大きな決断です。なぜなら、焦らず、段階を踏んで進めることが大切だからです。
入居手続きのステップ
一般的な入居手続きのステップは以下の通りです。
- 家族での話し合い・情報収集:
- まず、ご家族で十分に話し合い、入居の必要性や希望する条件を明確にします。
- 介護施設の選び方完全ガイドを参考に、効率的に情報収集を進めることができます。
- 専門的なサポートが必要な場合は、当社の相談センターでご相談ください。
- 施設の見学・体験入居:
- 候補となる施設を複数見学し、施設の雰囲気、スタッフの対応、入居者の様子などを確認します。
- 可能であれば体験入居を利用し、実際の生活を体験することも有効です。
- 入居申し込み・面談:
- 気に入った施設が見つかったら、入居を申し込みます。
- 施設による面談や健康診断が行われ、入居審査が行われます。
- 契約・入居:
- 重要事項説明書を十分に確認し、契約を締結します。
- 入居一時金の支払い、引っ越しを経て入居となります。
通常、入居までの期間は、施設の種類や空き状況によって異なりますが、一般的には1ヶ月〜2ヶ月程度を見ておくと良いでしょう。
地域包括支援センター以外の相談窓口
地域包括支援センターは心強い味方ですが、他にも様々な相談窓口があります。
- ケアマネジャー: 介護保険サービス利用の計画(ケアプラン)を作成し、多岐にわたる相談に対応します。
- 民間の老人ホーム紹介センター: ご希望に合った施設を無料で紹介してくれます。
- 市町村の福祉課・介護保険課: 介護保険制度や福祉サービスに関する情報を提供しています。
- 認知症専門病院(物忘れ外来、認知症疾患医療センター): 認知症の診断や専門的な治療、生活上のアドバイスを提供します。
- 認知症カフェ: 認知症の方やその家族、地域住民が気軽に集まり、交流や情報交換ができる場所です。
- 認知症の人と家族の会: 認知症の家族を持つ方々が支え合う場を提供しています。
そこで、これらの窓口を積極的に活用し、ご自身やご家族にとって最適な選択肢を見つけてください。
施設探しでお困りの場合は、【完全版】近くの介護施設・有料老人ホームを探す!失敗しない選び方と相談のコツも参考にしてください。
施設での生活と看取りケア:安心して過ごすために
老人ホームでの生活は、ご本人の尊厳が守られ、安心して過ごせる場所であるべきです。ことに、認知症の方の場合、症状の進行に応じた柔軟な対応や、終末期における看取りケアの有無も重要な選択基準となります。
施設での日常生活とケア体制
認知症老人ホームでは、以下のようなサービスが提供されます。
- 食事の提供: 栄養バランスの取れた食事が提供され、個別の嚥下状態に合わせた工夫もされます。
- 入浴・排泄・着替えの介助: 必要に応じた身体介護が受けられます。
- 健康管理・医療連携: 日常的な健康チェックや服薬管理、協力医療機関との連携体制が整っています。
- リハビリ・レクリエーション: 身体機能の維持向上や、脳の活性化を促すプログラムが提供されます。
- 認知症ケア: 認知症専門のスタッフによる、声かけや接し方、環境整備など、個別の状態に合わせたケアが行われます。
その結果、多くの施設では、入居者が尊厳を持って自分らしく暮らせるよう、個別ケア計画に基づいた支援を行っています。
認知症老人ホームにおける看取りケア
近年、多くの介護施設で看取りケアへの対応が進んでいます。看取りケアとは、回復の見込みがない入居者が、住み慣れた施設で穏やかに最期を迎えられるよう支援するケアのことです。
- 身体的ケア: 苦痛の緩和、安楽な体位の保持、清潔ケアなど。
- 精神的ケア: 不安の軽減、安らぎを与えるコミュニケーション、傾聴など。
- 家族へのサポート: グリーフケア(死別後の悲しみを乗り越えるための支援)も含まれます。
もし看取りケアを希望する場合は、事前に施設の看取り方針や費用、協力医療機関との連携体制などを確認することが不可欠です。なぜなら、施設によっては対応していない場合もあるためです。
また、施設ではどのような介護が受けられるのか?では、施設の形態ごとの具体的なサービス内容を詳しく解説しています。
まとめ:最適な認知症老人ホームを見つけるために
認知症と診断されても、老人ホームで安心して暮らすことは十分に可能です。つまり、大切なのは、認知症の種類や症状、費用、提供されるサービス、そしてご家族の希望を総合的に考慮し、ご本人にとって最適な施設を見つけることです。
そのためには、複数の施設を比較検討し、疑問があれば積極的に相談窓口を活用することが重要です。最終的に、この情報が、皆様の施設選びの一助となれば幸いです。
お一人で悩まず、まずは当社の相談センターでお気軽にご相談ください。経験豊富な専門スタッフが、あなたとご家族に最適な施設選びをサポートいたします。
なお、費用を抑えたい方は安い老人ホームでも後悔しない!費用を抑える賢い選び方、自立度の高い方は自立型老人ホーム:自由な生活と安心を両立も参考にしてください。
参考情報
- 厚生労働省 介護保険制度について:
- 国立長寿医療研究センター 認知症情報ポータル:
- 公益社団法人 認知症の人と家族の会
- 各市町村の地域包括支援センター(お住まいの自治体名+地域包括支援センターで検索してください)