有料老人ホームとは?種類・費用・選び方の全知識

有料老人ホーム外観

有料老人ホームと聞くと、どのような施設をイメージされますか?しかし、一言で有料老人ホームと言っても、その種類や提供されるサービス、費用は多岐にわたります。したがって、最適な施設を選ぶには、それぞれの特徴を理解することが不可欠です。

この記事では、有料老人ホームの基本的な定義から、主な3つの種類の違い、気になる費用相場と内訳、そして後悔しないための施設選びのポイントまで、詳しく解説します。大切なご家族のために、あるいはご自身の将来のために、ぜひ最適な有料老人ホーム選びの参考にしてください。

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1. 有料老人ホームの基礎知識:法律上の定義と役割

有料老人ホームは、高齢者の健康維持と生活の安定を目的として、食事、介護、家事、健康管理のいずれかのサービスを提供する施設です。具体的に言えば、老人福祉法において「有料老人ホーム」と位置付けられています。

なぜ有料老人ホームを選ぶのか?

有料老人ホームは、個人のニーズに合わせた多様なサービスを提供できる点が大きな魅力です。例えば、24時間体制の介護が必要な方から、自立した生活を送りながらも安心を求める方まで、幅広いニーズに対応できる施設が揃っています。加えて、多くの施設で質の高いサービスと快適な住環境が提供される傾向にあります。


2. 知っておきたい!有料老人ホームの3つの種類

有料老人ホームは、主に以下の3つの種類に分けられます。その結果として、提供されるサービス内容や費用、入居対象者がそれぞれ異なります。

1. 介護付き有料老人ホーム

  • 特徴: 施設内に介護職員が常駐し、24時間体制で手厚い介護サービスを提供します。要介護度が高くなっても住み続けられる「終の住処」として選ばれることが多いです。
  • サービス: 食事、入浴、排泄などの身体介護、生活援助、機能訓練、レクリエーションなど。さらに、医療連携が充実している施設も多数あります。
  • 費用:
    • 入居一時金:数十万円 〜数千万円(高額な傾向があるが、地域によって安いところもある)。
    • 月額費用: 20万円〜40万円以上が目安。
  • こんな方におすすめ:
    • 手厚い介護や医療的ケアを必要とする方。
    • 将来的に介護度が重くなることを想定している方。

2. 住宅型有料老人ホーム

  • 特徴: 食事の提供や安否確認などの生活支援サービスが中心です。しかしながら、介護サービスは、必要に応じて外部の介護事業所と個別に契約して利用します。
  • サービス: 食事、清掃、洗濯などの生活支援、安否確認、緊急時対応など。ただし、介護サービスは含まれません。
  • 費用:
    • 入居一時金: 数十万円〜数百万円。
    • 月額費用: 15万円〜30万円程度(介護サービス費用は別途)。
  • こんな方におすすめ:
    • 比較的自立しており、生活支援を受けたい方。
    • ご自身のペースで介護サービスを選びたい方。

3. 健康型有料老人ホーム

  • 特徴: 自立した生活が送れる健康な高齢者向けの施設です。食事や家事サービスが提供され、レクリエーションやイベントも充実しています。その反面、介護が必要になった場合は退去となるケースが多いです。
  • サービス: 食事提供、生活支援、レクリエーション、健康管理など。加えて、アクティビティが豊富に用意されている施設もあります。
  • 費用:
    • 入居一時金: 数十万円〜数千万円。
    • 月額費用: 15万円〜30万円程度。
  • こんな方におすすめ:
    • 要介護認定を受けておらず、元気な方。
    • アクティブなシニアライフを送りたい方。

【ポイント】 有料老人ホームの種類は、提供される介護サービスの形態で大きく異なります。したがって、ご自身の現在の健康状態や将来の展望に合わせて選びましょう。


3. 有料老人ホームの費用相場と内訳を徹底解説

有料老人ホームの費用は、施設の種類、立地、サービス内容、居室の広さなどによって大きく変動します。ここでは、費用の内訳と、費用の軽減策について解説します。

費用内訳の全体像

有料老人ホームの費用は、主に「入居時費用」と「月額費用」の2つに分けられます。

  1. 入居時費用(初期費用)
    • 入居一時金: 家賃相当額を前払いする費用です。まず、償却期間や返還金制度があるか確認しましょう。
    • 敷金・保証金: 退去時の原状回復費用や未払い金に充当される費用です。
  2. 月額費用
    • 家賃(居住費): 居室の賃料。
    • 管理費: 共用部分の維持管理費用、人件費など。
    • 食費: 食事の提供にかかる費用。
    • 上乗せ介護費用: 介護付き有料老人ホームで、介護保険給付対象外のサービスや手厚い人員配置にかかる費用。
    • 介護サービス自己負担分: 介護保険サービスを利用した場合の1〜3割の自己負担額。
    • その他: 医療費、おむつ代、レクリエーション費、理美容代など。

費用軽減のための制度

有料老人ホームの費用負担を軽減する制度も存在します。例えば、以下のような制度が利用できます。

  • 高額介護サービス費制度: 介護保険サービス費の自己負担額が、所得に応じて定められた上限額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。
  • 医療費控除: 所定の条件を満たせば、介護費用の一部が医療費控除の対象となる場合があります。
  • 居住費・食費の補助: 一定の所得以下の方を対象に、居住費や食費が軽減される制度もあります。

【重要】 入居契約を結ぶ際は、提示された費用が「一時金」なのか「家賃の前払い」なのか、償却の仕組みや返還条件など、費用の詳細を必ず確認しましょう。要するに、不明な点は納得いくまで質問することが大切です。


4. 後悔しない!有料老人ホーム選びの7つのポイント

有料老人ホームは、一度入居すると長く暮らす場所になります。そのため、納得のいく施設選びのために、以下のポイントに注目しましょう。

1. 介護・医療体制の充実度

  • 介護付き: 介護スタッフの配置人数や、夜間の介護体制を確認しましょう。さらに、看護師の常駐時間も重要です。
  • 住宅型: 提携している介護事業所のサービス内容や、緊急時の医療連携体制を確認します。

2. 立地と周辺環境

ご家族の訪問のしやすさ、交通の便、地域の医療機関や買い物施設へのアクセスを考慮しましょう。また、静かな環境か、賑やかな場所かなど、周辺環境の雰囲気も大切ですす。

3. スタッフの質と雰囲気

見学時には、スタッフが入居者とどのように接しているかを観察しましょう。したがって、笑顔が多く、丁寧な対応をしている施設は、質の良いサービスが期待できます。

4. 食事の内容と対応力

献立や栄養バランス、見た目の美しさ、味などを確認しましょう。加えて、アレルギー対応や嚥下食、きざみ食などの個別対応が可能かも重要です。可能であれば試食をおすすめします。

5. 施設全体の雰囲気と清潔感

共用スペースや居室、浴室などが清潔に保たれているか確認しましょう。その上、明るく開放的な雰囲気か、落ち着いた雰囲気かなど、ご自身の好みに合うかも大切です。

6. 入居者の方々の様子

入居者の方々が生き生きと過ごしているか、表情は穏やかかなど、実際に施設で暮らしている方の様子を見ることも、施設の良し悪しを判断する重要な手がかりです。

7. 見学・体験入居の活用

気になる施設が見つかったら、必ず複数回見学に行きましょう。そして、可能であれば、体験入居を利用して、実際の生活を体験することをおすすめします。


あなたに最適な有料老人ホームを見つけるために

有料老人ホーム選びは、多くの情報を比較検討し、ご自身やご家族の状況に合った選択をすることが重要ですし、このため、この複雑なプロセスをスムーズに進めるために、公的な情報源も活用しましょう。

最適な有料老人ホームを見つけるには、プロの視点も役立ちます。当社の施設相談センターでは、個別のご状況を伺いながら、ご希望に沿った施設のご提案や見学同行など、きめ細やかなサポートを行っています。

当社の施設相談センター: https://ts-medg.co.jp/soudan/

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