
疾病別対応について
訪問看護は、さまざまな疾患や症状を抱える方が在宅で安心して療養生活を送るための医療サービスです。本ページでは、主な疾患カテゴリーごとに訪問看護がどのようなサポートを行うのかをわかりやすく解説します。慢性疾患から難病、精神疾患、がん末期ケア(終末期ケア)まで幅広く対応可能な訪問看護の特長を理解することで、より適切な在宅ケアを受けるための手がかりとなるでしょう。
訪問看護が対応する主な疾患カテゴリー
訪問看護は、医師の指示書に基づき、看護師やリハビリ専門職が多様な疾患・状態に対応します。以下に、代表的な疾患カテゴリーごとのサポート内容をまとめました。
脳血管疾患(脳梗塞・脳出血など)
脳血管疾患後には、日常生活動作(ADL)の低下や運動麻痺、嚥下障害など、継続的なリハビリテーションや生活支援が必要となる場合が少なくありません。
- 訪問看護による対応例:
- 血圧・脈拍・呼吸状態などのバイタルサイン管理
- 麻痺部位に合わせたリハビリ(理学療法、作業療法)
- 摂食・嚥下訓練
- 福祉用具・自助具の活用支援
呼吸器疾患(COPD、在宅酸素療法、慢性呼吸不全など)
呼吸器系の慢性疾患は長期的な呼吸管理が必要です。日々の状態変化を観察し、適切な対応を行うことで、増悪防止やQOL(生活の質)の向上が期待できます。
- 訪問看護による対応例:
- 呼吸状態の管理・SPO2モニタリング
- 在宅酸素療法(HOT)や人工呼吸器などの医療機器管理
- 排痰ケアや呼吸リハビリテーション
- 感染症予防指導とセルフケア支援
心疾患(心不全・虚血性心疾患など)
心不全や狭心症などの心疾患は、症状の変動や体液管理が重要です。在宅での継続的な状態観察により、急性増悪を防ぐことが可能です。
- 訪問看護による対応例:
- 血圧・心拍数・体重変化の定期チェック
- 利尿薬などの服薬管理指導
- 塩分・水分管理のアドバイス
- 心肺機能向上を目指した軽度な運動指導
糖尿病・慢性腎不全・高血圧などの生活習慣病
糖尿病や腎不全、高血圧などは生活習慣と密接に関わる疾患です。食事・運動・服薬のバランスが重要で、在宅での継続的なサポートが有効です。
- 訪問看護による対応例:
- 血糖値測定、インスリン注射の手技支援
- 食事療法・栄養指導
- 血圧管理と服薬支援
- フットケアや合併症予防のためのセルフケア指導
がん末期(ターミナルケア)・難病患者の在宅ケア
在宅で最期を迎えたいと考える方や、進行性・難治性の疾患(ALS、パーキンソン病など)を抱える方は、専門的なケアが必要です。
- 訪問看護による対応例:
- 痛みや呼吸苦などの症状緩和ケア(緩和医療)
- 点滴、胃ろう、気管切開管理などの医療処置
- ご家族への精神的サポート、看取り支援
- 多職種連携(医師、薬剤師、ソーシャルワーカー等)による包括的ケア
精神疾患(うつ病・統合失調症・認知症など)
精神疾患や認知症の場合、在宅での生活リズム維持や服薬管理、コミュニケーションサポートが重要となります。
- 訪問看護による対応例:
- 精神状態の観察・傾聴
- 服薬確認・セルフコントロール支援
- デイサービス利用など地域資源活用のアドバイス
- 家族へのケア方法指導や相談対応
小児疾患(医療的ケア児)
先天性疾患や障害を持つお子さま、長期入院を経て在宅へ移行する医療的ケア児へのサポートは、発達支援や親御さんの負担軽減にも大きく貢献します。
- 訪問看護による対応例:
- 吸引、経管栄養、人工呼吸器などの在宅医療機器管理
- 成長発達段階に合わせたリハビリ・遊びのサポート
- 親御さんへの育児サポート、医療処置手技の教育
- 学校や保育施設との連携
訪問看護による疾病別対応のメリット
- 在宅療養の継続が可能:医療機器や専門的ケアが必要でも、自宅で安心して過ごせます。
- 早期異常発見・緊急対応:日々の観察で体調変化を早期に把握し、必要に応じて主治医と連携可能。
- QOL向上:ご本人の生活習慣に合わせた指導やリハビリにより、身体的・精神的な負担軽減が期待できます。
- 多職種連携:医師、薬剤師、ケアマネジャー、訪問介護サービスなどと協働し、包括的なケアを実現。
よくある質問(FAQ)
まとめ
訪問看護は、脳血管疾患・呼吸器疾患・心疾患・生活習慣病・難病・ターミナル期・精神疾患・小児疾患など、多岐にわたる疾患に対応しています。専門的な医療処置から生活支援・リハビリまで、疾患に合わせて柔軟にケアを提供できることが強みです。
在宅療養を検討する際には、主治医・ケアマネジャー・訪問看護ステーションに相談し、ご自身やご家族に最適なプランを立ててください。適切なケアを受けることで、住み慣れた環境でより安心・快適な日々を送ることができます。